私が実際派遣スタッフとして、働いている時に担当営業に時給交渉をして上げてもらった経験が何度もあります。
交渉のタイミングや交渉方法など詳しく解説します。
目次
時給交渉をする相手は誰か
派遣先の指揮命令者や社員の方、派遣先によっては面談をしてくれる人事部の方に時給交渉をしたくなるかもしれませんが、派遣会社(派遣元)の営業担当者にします。
流れとしては、派遣会社の営業は、派遣スタッフ(働いている私たち)の話を聞き、交渉の余地があると判断した場合、営業は派遣先の会社に派遣金額の交渉に入ります。
そのため、まずは派遣会社の営業との関係が良好である必要があります。
メールや電話の連絡が遅かったり、欠勤の連絡をしない等、関係性が不安定な状態の中で時給交渉をしてほしいと言われたらどう感じるでしょうか。
次に、派遣先での評価です。
派遣先での仕事に対するやる気や派遣先からの評価も時給交渉の大きな材料となります。
また、派遣先から派遣会社へ派遣スタッフの働き方や取り組み、素行の連絡がいきます。
そこでも、派遣会社の営業が悪いと判断した場合は、そもそも派遣先へ交渉に入ってくれません。
最終的には、派遣会社と派遣先の双方にとって、必要な人材と判断されたら、時給アップという流れになります。
また、派遣先が渋り、派遣元の会社にとって必要不可欠の人材と判断をした場合、マージン率を削り、時給アップに応じる場合もあります。
交渉のタイミング
契約更新時
派遣では雇用契約書に沿って業務範囲や時給が決められています。
そのため、契約期間の途中に昇給をすることが難しく、契約更新(3か月や6か月)のタイミングに交渉するのが最適です。
派遣会社によっては、定期面談(フォロー面談)の機会に交渉するのも良いでしょう。
契約更新確認時のメールや電話での交渉もありますが、この時に「相談したいことがあります」と伝え、実際に会って交渉する方が絶対に良いです。
面倒かもしれませんが、こちらは真剣にお願いしているという気持ちが、直接会って話した方が伝わるでしょう。
仕事の関係
派遣での仕事は限られているとは言え、覚えるまでに一年ほどはかかります。
そのため、一年が経過したころに交渉するのが良いでしょう。
また、一年経つ頃には慣れてきて、スピードも上がり、隙間時間ができることから、本来いけないことではありますが契約した業務外のことも一部やらされるでしょう。
契約業務外のことをやらされそうになった時は、時給交渉のタイミングとしてはチャンスです。
理由は後述します。
業務に関係する資格を取得した時
資格を取得した際は時給交渉の良いタイミングです。
日商簿記検定2級や秘書検定2級、FP2級、TOEIC高得点など比較的取るのが難しい資格の場合は有利に働きます。
また、ITパスポートやMOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)など比較的簡単に取ることができる資格であっても派遣先や派遣元に伝えることで時給アップの話が出てくる可能性は十分あります。
他にも派遣先の正社員がこの資格を取った場合、資格手当で出るといった場合は、外部の派遣社員であるため適用はされませんが、時給交渉により上がる可能性は大いにあります。
ただ、時給アップの代わりにその資格を活かした仕事を任せられることもあります。
役職がついた場合
いわゆる「リーダー」や「マネージャー」と言った役職がつくタイミングです。
正直言ってしまうと、このタイミングで交渉しないのはもったいないです。
理由としては、業務量と責任が増加するため、絶好のタイミングです。
また、派遣先も役職を任せると明確な理由があるため、時給アップは当然と受け取るため、派遣会社の営業も交渉しやすいです。
ただ、交渉して昇給がない場合は、「昇給しない場合は、難しいです。」と断ってしまうの一つの手です。
負担は増えるが時給は上がらないでは、道理に合わず、また、その派遣先での時給アップは今後難しいと判断するべきです。
営業への交渉方法
時給アップの理由と金額ははっきりと伝える
時給アップは私の場合や周りの方に聞いた話しだと「100円アップ」が一番多いです。
ただ、「時給を上げてほしい」と曖昧にお願いするより、「かれこれこういう理由なので時給を100円上げほしいです」と具体的に言った方が効果が高いです。
また、大きな金額を提示すると、いくら理由が明確であっても本気度が伝わりにくく、逆効果になります。
たった100円と思ったとしても、一日8時間労働であれば月額16,000円ほどアップします。
業務外の仕事をさせれらそうな時
仕事に慣れてくると、契約業務外の仕事を任せられる時があります。
- 一般事務で入ったはずが、経理の仕事も任せられる
- 電話応対はないと言っていたはずが、応対をさせられている
- コールセンターで受電のみ仕事のはずが、架電もさせられる
- webデザイナーで入ったが、営業のような仕事もさせられる
など、顔合わせ(面接)の時に聞いていた話や雇用契約書に書かれていない業務内容をさせられる、または、させられそうな場合は、
「すみません、契約内容に関わることなので営業に一度確認をしても良いですか?」
とハッキリ言って、派遣会社の営業に相談をしましょう。
「雇用契約に書かれていない仕事をお願いされているのですが、時給を上げていただけるのであれば、やらせていただきます」と伝えるのが良いでしょう。
この時に難しいと判断された場合は、派遣スタッフからではなく、派遣会社の営業から断ってもらうのが良いでしょう。
退職を理由にしてしまう
時給を上げる一番の近道は、派遣先を変えてしまうことです。
ただ、慣れた仕事の中で時給をアップするのが負担もなく一番効率が良いですよね。
別の派遣会社の似たような案件を実際に用意し、「現在この企業に派遣先を変えたいと思っている」と伝えましょう。
そうすると大体は引き留めに合い、理由を聞かれます。
「実は時給を上げたいと考えており、今回限りで契約更新をするか正直悩んでいます。」
というのがベストです。
「時給をいくら上げたら残ってくれるのか」という話し合いに発展することが多いですが、中には「では次の更新で辞められますか?」とあっさり受け入れられることもあります。
断れれてしまった場合「考えておきます。」と話し、継続するか実際に派遣先を変えるか考えても良いでしょう。
時給アップができないパターン
一年経過したので時給をあげてほしい
私は正直一年経てば、時給が上がると勘違いしていました。
正社員での感覚が抜け切れてなく、年数が経てば勝手に昇給すると考えており、「一年経ったので時給を上げてほしいです」と言ったところ、話は聞いてくれましたが、その日のうちに難しいと言われました。
交渉のタイミングとしては良い時ではありますが、一年経過を理由に時給アップの交渉は正直難しいですね。
派遣社員が多い企業
派遣社員が多い企業や大手企業は時給アップが難しい傾向にあります。
理由はいくつかありますが、派遣先の指揮命令者や社員の方が派遣社員一人ひとりそこまで見ていないことや、派遣社員が多いことから最初から昇給はしないという取り決めが双方あったりします。
仕事での活躍や目立った変更があれば良いですが、どうしても派遣社員が多い会社は時給アップが難しい傾向にあります。
派遣先や派遣会社との関係が悪い
上記でも書かせていただきましたが、派遣先と派遣会社と関係が良好ではないと交渉以前の話になってしまいます。
正当性のある遅刻や欠勤でも、素行不良と見られてしまうのが現実です。
派遣先からは高評価であり、派遣会社からは信頼できる人というのが時給交渉への第一歩と考えて良いでしょう。
まとめ
時給交渉は何より自信を持って行うことが重要です。
自分を強く見せる必要はありませんが、弱気であると、本気度も伝わりにくく流されてしまうことがあります。
また、時給アップの交渉=派遣会社に迷惑をかけてしまうイメージがあるかと思いますが、実はそうではありません。
例えば100円時給アップをお願いするとなると、派遣会社が時給交渉する相手である派遣先には派遣料金を300円ほど上げる交渉をします。
そのため、派遣社員の時給が上がると派遣会社の利益も増えるため、全く負担ではありません。
そのため、派遣社員から時給を上げたい申し出はありがたいことでありますが、交渉の材料があると、なお嬉しいということです。