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アカントアメーバ角膜炎|初期症状から完治【体験談ブログ】

eye-doctor

私はもうかれこれ20年以上ソフトコンタクトをつけていました。

タイトルの通り、ソフトコンタクトレンズが原因によるアカントアメーバ角膜炎になり、経過観察も含め約1年半、完全に治療が終わりました。

また、完治といっても、角膜の中からアカントアメーバは完全に無くすことができましたが、後遺症なども残っております。

初期症状から完治までの体験談を書きます。

アカントアメーバの初期症状

私のコンタクトレンズの使い方は、朝起きてから、寝る直前まで使う方法をとっていました。

いつも通り、寝る前にコンタクトを外し簡単な擦り洗い(5回程度)を済まし、レンズケースに入れて寝る準備をしました。

その時、とても目が痒くなり目を擦ったところ、「ピキッ!」と目に電撃が走るような痛みが走りましたが、まあ寝れば治るだろうと特に気にせず、そのまま寝ました。

その翌日、仕事があったので、そのままいつもの通り、コンタクトをして出勤しました。

充血は少ししており、コンタクトを付けた時には痛みは多少ありましたが、「よくあることか」と思いながらも、過去に感じたことないような目を刺すような痛みがあったので、コンタクトをしたままでも使える目薬を購入し、定期的にさしていました。

その日の帰り、朝に比べて充血は強く、痛みは強くなっていたので、「結膜炎だろう」と安易に考え、結膜炎用の市販薬を買い、夜は結膜炎用の目薬をさしました。

翌日、目が全体的に充血しており、痛みも増す一方でしたが、薬が効いているのだろうと考え、病院には行かず仕事をしましたが、その日の帰りには痛みがすごく、多少に見えにくさも出てきて、涙がすごかったです。

その日は帰ってすぐにコンタクトを外し、市販薬をつけ寝ました。

またこの時、コンタクトを外した時の痛みがとんでもないことに気が付きました。

えるん
初めて痛みを感じてから、たった3日の出来事です!またソフトコンタクトレンズは外気や痛みから保護してくれるため、要注意です!

やっと病院にかかるも:1

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この時の目の様子です、写真では分かりにくいかもしれませんが、黒目の表面のところは薄く白くなっています。

この時点で、涙がボロボロ、痛みは刺すような痛み、目は開けらないほどの様子で、病院に行きました。

診察するも「うーん、どうなんだろう。」という様子で、目薬をしてそれでも良くならなければ、明日でも明後日でもすぐ来てと言われました。

出された薬は、

  • ステロイド点眼薬
  • 抗菌点眼薬

となります。

その日は一日会社を休み、目薬を頼りに決まった時間に目薬をさし、痛みに耐えながら一日を過ごしました。

翌日、痛みは治まりませんでしたが、抱えている仕事の締め切りもあり、目薬をしながら一日過ごしました。

ただ、この日、帰るときには痛みが過去一番の痛みでした。

翌日、運悪く眼科が臨時休診日でした。

その日も仕事をしながら、痛みに耐えながら過ごし、一つ気づいたことは、びっくりするほど視界が白くぼやけていました。

白くぼやける雰囲気としては霧の中にいるような感じです。

翌日、眼科に行くと「この症状はもうこの病院では分からない、紹介状を書くから大学病院に行ってくれ」と言われ、この時初めて「大ごとになったな・・・」と心から反省しました。

えるん
アカントアメーバはなる人も少なく、小さい病院ではすぐ診断できる先生も少ないようです。また段々と痛くなるのもアカントアメーバの症状ですね。

大学病院に行く前日の話

大学病院への紹介状を書いてもらったのが土曜日。

大学病院が開いているのは平日。

大学病院に行く前日の日曜日、痛みが最高潮であり、多少見えていた視界が白く全く見えなくなりました。

痛さはまち針で目を刺されているような鋭い痛み、視界は目の前の手も見えないくらいの視界です

私はあまりに焦り、翌日の大学病院を待てず、目の手術もしているような少し大きめの病院へ行きました。

そこの診察でも「こちらでは正直もう治療の施しようがありません、やはり明日の大学病院へ行ってください」と言われ、痛み止めを出してもらいました。

あ、これ失明するやつだ・・・

紹介状を持って大学病院へ:2軒目

この時の症状としては、

  • 今までに感じたことのない針で刺すような鋭く深い痛み
  • 本当に目の前に何を置かれても全く見えない視界
  • 見えないのになぜか、家の明かりですら眩しすぎること
  • 涙が止まらず鼻の方にも流れて、顔中汁まみれだったこと

あとは目が見えなくなることへの恐怖ですね。

さすが、大学病院です。

検査は多く、ただ、眼圧を測る目に軽く空気当てる機械をした時に「ィイイイイイイイイッ」と声を出してしまい、とんでもない痛みでした。

キリで思いっきり刺されたかと錯覚するレベルでした。

検査が終わると、診察が始まり、目の様子や一部針のようなもので直接目から細胞を取られ、顕微鏡のようなもので見られました。

アカントアメーバによる角膜潰瘍ですね。かなり重度です。

ここで初めて、アカントアメーバという言葉を知りました。

そして、次に言われたのが「ここまで重度であると、こちらの病院では治療ができません。」と言われ、「角膜専門の病院があり、そちらをかかってください」っと。

まさかの大学病院から個人病院へ転院。

えるん
後にわかったことですがこの個人病院、紹介された大学病院の元眼科部長がやっている角膜の専門病院でした!

原因としてはソフトコンタクトレンズの不適切(2週間以上の使用、しっかりと洗浄を常にしていないこと)な使用からアカントアメーバになってしまいました。病院によってはコンタクトレンズとコンタクトケースを持っていくと、そこから特定もしてもらえるようです。

大学病院から個人病院へ:3軒目

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診察の結果で言われた状態は、

  • 表面を削り取って顕微鏡で確認したがアカントアメーバは出なかった。ただ、症状としてはアカントアメーバ。
  • 角膜びらんを通り越して、角膜潰瘍である。このまま進行するとと角膜穿孔(眼球に穴が開く症状)になる可能性もある。
  • 絶対的に言えるのは白く濁った視界は残る。どこまで濁りが取れるのかは現時点では何も言えない。
  • レーザー治療や角膜移植も今後視野に入れておいた方が良いが、今後の進行次第です。

そして一番の衝撃が「アカントアメーバに対する治療薬はありません。」でした。

要するに色々な方法を試して、良くなることもあるし、症状が変わらないということです。

ちなみにこの時点でいただいた薬は、

  • 抗菌点眼薬
  • PA・ヨード点眼薬

使用者としては「PA・ヨード点眼薬」がかなり効いた気がしました。

えるん
まさか、ここから週2回、この専門医に通うことになろうとは思いませんでした。

治療のあれこれ気になるところ

治療期間はどのくらいか

アカントアメーバはどのくらいの期間で治るかというものはハッキリと言えるものではないですが、半年から一年ほど、みておいた方が良いとのことです。

私の場合、6か月ほどで集中治療は終わりました。

集中治療が終わると一年間の経過観察期間があり、それが終わると完治となります。

なぜここまで悪化したのか

まず第一に目に違和感があるにも関わらず、私が病院に行くことを嫌がったことです。

若い人ほど重症化しやすく、本格的な治療中でも1、2日の間に一気に悪化します。

初期症状のところでも書きましたが、本格的に痛くなってから3日ほどで一気に角膜が混濁し、目の前が全くと言っていいほど見えなくなりました。

これまでコンタクトを20年使っているから、ちょっとの痛みくらい慣れっこ」なんて言っていたら本当に大変になります。

治療と薬はどういうものを使うのか

通常の抗生物質は効かない(アカントアメーバ用の治療薬というものはない)ため治療が非常に困難とのことです。

場合によっては、定期的に角膜を削ることも必要とのことでしたが、私の場合状態を見て必要はないと判断いただきました。

色々試してみて最終的な治療薬としては、

  • PA・ヨード点眼薬
  • 抗菌点眼薬
  • 抗真菌眼軟膏

という方法が私は適切でした。

使ってみて、効いてる!と感じたのは、PA・ヨード点眼薬でしたね。

ただ、効く効かないはその人次第なので、もしアカントアメーバの治療中の方で、気になる方は医師にご相談をされてみてはいかがでしょうか。

また、角膜の白濁(白いにごり)はどこまで戻るかは治療と本人次第ということです。

一切白濁が戻らない人もいて、その場合は角膜移植という方法しか現状はないとのことでした。

えるん
集中治療中は白濁が戻らず、焦る気持ちでいっぱいでしたが、集中治療の最後1か月間で私はかなり回復しました!

治療中の家での過ごし方

薬は全集中

当たり前ですが、決めた時間にきっちり目薬を差します。

これが、当たり前のようでかなりきつかったです。

まず目薬は複数の種類が出されることが多いですが、目薬と目薬の間隔は「5分以上」と決まっています。

3種類あればそれだけ長くなります。

それが約3時間に1回であるため、家でも外出中でも、3時間に1回です。

よく出されるのが眼軟膏という目に塗る軟膏があります。

この軟膏が涙、ほこり、目ヤニ、眼軟膏とかなりの頻度で眼の周りが汚れるため、目のまわりをきれいにふける「清浄綿」というものが必須です。


家で薬を塗るときも、わざわざ顔を洗わずに済むので便利です。

特に外で塗るときには、個包装タイプがかなり役に立つので常備しておいた方が良いです。

本当に大変ですが、アカントアメーバを除去するには、徹底して目の上に薬がある状態を保たないといけません。

薬以外で取り組んでいたこと

とにかく眩しく、涙が垂れるほど出ていたので先生に「眼帯を使ってもいいですか?」と聞いたところ、「涙からどんどん悪いものを出した方が良い」と言われたので、眼帯はつけませんでした。

あとは先生曰く、「目をとにかく乾燥させること、空気に触れさせること」と言っており、外気に触れさせると治りが早いという治療方針の先生だったので、意識して守っていました。

あとは私独自でやっていたことは、「とにかくビタミンAを取る」ことを心がけていました。

ビタミンAは角膜の修復を促す効果があり、うなぎ、レバー、卵やホウレン草、サプリなど意識して摂取していました。


うなぎはビタミンAが豊富!治療のためだ!と、よく食べましたが、同時にお金が飛びました。

そのため、普段の食事とサプリから摂取をしていました。

ただ、ビタミンはAは脂溶性ビタミンのため、肝臓に貯蔵されます過剰摂取は禁物です!

上限量を超えない範囲で毎日意識して摂取していました。

えるん
ビタミンAは正直効果があったのかわかりませんが、白濁除去はとても早かったと医師に驚かれました!

集中治療が終えて、今

痛みがなくなってきたころ、気になるのはやはり白濁(白いにごり)です。

この白濁が取れない限り、視界はクリアに見えない問題があります。

半年の集中治療が終わった時は、正直かなり白く、濁りを取るレーザー治療をしたいと提案しましたが、

「薄くすることは可能ですが、今回の治療で角膜がかなり薄くなっているので、レーザーをするのは危険。ここから白い部分がさらに薄くなる人もいるので、もう一年待ちましょう」

との判断をいただいたため、諦めました。

そこから1年経ち、現在、白濁はほぼなくなっております。

そして、白濁にばかり気を取られていましたが、これ先、一生続く後遺症は白濁ではなく、「不正乱視」です。

不正乱視とは、アカントアメーバにより角膜表面に傷やデコボコが生じたため、焦点が多数できてしまうことで、正常に像が結ばれないことです。

簡単に言ってしまうと、「メガネやソフトコンタクトレンズでは、通常矯正できる乱視が全く矯正できない状態」ということですね。

ただ、不正乱視の矯正にはハードコンタクトレンズを使うことで矯正することが可能です。

えるん
やはりソフトレンズを今まで使ってきた人からするとハードコンタクトの使用感はどうしても慣れませんね。

まとめ

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ソフトコンタクトレンズを使ってる方は、管理を徹底していても誰しもがなりうる病気であると仰っていました。

私の場合、運が良かったのか、治療を徹底したことが良かったのかわかりませんが、失明や深刻な白濁が残ってしまうという最悪なケースを避けることができました。

しっかりと擦り洗いをしないレンズ定期的に交換をしないケース、その中で、アカントアメーバが増殖し、それをつけることで感染するパターンが多いそうです。

そのため、痛みがあれば、即コンタクトの使用を中止し、同じコンタクトレンズをつけることは避けることその後も目に違和感があれば眼科に行くことが大切です。

今回の病気でとにかくきつかったのが、治療中はあまりの痛みに夜、熟睡が一切できないこと、そして白濁による目の前が見えないという恐怖です。

五感のなかで、知覚という情報は8割にもなり、その知覚が失われることは楽しみの8割が失われると同義であると肌で感じました。

コンタクトはとても便利で、しかもお手軽ではありますが、常に危険と隣りあわせという意識を持つことが重要です。

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